研究レポート3

研究レポート3
世界で愛されるじゃがいもに、新たなブームの予感!?
パンケーキブームは終わらない。
次は、ポテトパンケーキに注目!
ブームの波が激しいスイーツ業界の中で、「パンケーキ」ブームは収まる様子をまったく見せない。
2013年上半期の「検索キーワード」動向によると、飲食系ワードの上位30位の中に、パンケーキ関連が7件もランクインしている。このブームのもとを探ってみると、2010年、海外の有名店の出店がきっかけというのだから、もはやブームではなく定着した人気といえる。
「ところで、ホットケーキと何が違うの?」という素朴な疑問を持っている人もいるはずだ。ホットケーキはパンケーキの一種で、砂糖を加えた、いわば“おやつ”。甘みを抑えたパンケーキは、クリームやフルーツを合わせると“スイーツ”に、ハムやチーズを合わせると“食事”にもなるので、幅広い層をキャッチできたのだろう。
そして、世界に目を向けると「ポテトパンケーキ」という何とも魅力的なメニューが存在する。新たなブームの予感を、ここに報告したい。

絶品メニュー「ドラニキ」に、ベラルーシ人のじゃが愛を見る。
世界の1人当たりの年間じゃがいも消費量は32.6kg。では、日本は?「日本はメニューも多いし、じゃがいも好きの国民なのでは」と思っていたら、残念ながら21.3kgと世界平均を大きく下回っている。オセアニアは50.6kg、北米は54.9kg、ヨーロッパにおいては85.5kgと日本の4倍も食べている。中でも、じゃがいも愛にあふれている国はどこなのか?我々は、旧ソ連から独立した、森と湖の美しい小国「ベラルーシ」に注目した。1人当たりの消費量は170kg(!)、自らを「ブリビャーシュ(じゃがいも人)」と呼ぶほどの国民のおすすめメニューが「ドラニキ」というポテトパンケーキ。じゃがいもをすりおろし、小麦粉、卵、挽肉、タマネギのみじん切り、おろしニンニク、サワークリームを混ぜ、フライパンで焼くというシンプルな料理。しかし、このドラニキを作ってみると、じゃがいもの良し悪しがわかるというのだから、なかなか奥深いメニューなのだ。

本場の「ドラニキ」レポート 【ミンスクの台所】
うわさのドラニキをぜひ味わってみたい!東京港区にあるベラルーシ料理の専門店「ミンスクの台所」に、絶品のポテトパンケーキがあると聞き、取材班は向かった。
店長のヴィクトリアさんによると、「ドラニキ」はベラルーシではよくディナーに出るポピュラーな家庭料理。作り方はとても簡単で、じゃがいもをすりおろし、小麦粉少々と卵を入れて作るのだが、家庭によってそれぞれ特色があるそう。今回は、具がないスタンダードタイプとの挽肉入りタイプの2種類をいただいた。
じゃがいものモチっとした食感とニンニクの風味、サワークリームが絡み合い、まさに“絶品”!「ミンスクの台所」ではこのドラニキにメークインを使用しているとのこと。また、ドラニキ以外にも「ズラズィ」や「バプカ」など、ここでは紹介しきれないほどたくさんのじゃがいも料理があった。店内は東欧の調度品が並び、アットホームな雰囲気。また週に2回、ロシア民謡のライブが開催されており、料理とともに異国情緒も味わえる。絶品のじゃがいも料理をぜひ。

材料
じゃがいも(Lサイズ):4個
卵:1/3個
小麦粉:大さじ1
にんにく・塩・コショウ・サワークリーム:適量
サラダ油orバター:適量
作り方
①じゃがいもは皮をむいてすりおろす。(じゃがいもから出た水分は捨てる。)
②溶きほぐした卵と①ですりおろしたじゃがいも、小麦粉・塩・コショウを混ぜる。
③②を、油orバターを熱したフライパンに流し入れ、両面が焼きあがったら、すりおろしたにんにくを塗り、サワークリームをかけて出来上がり。

※挽肉入りを作る場合
材料
豚挽肉:150g
玉ねぎ(みじん切り):1/5個
塩・コショウ:適量
作り方
①豚挽肉・玉ねぎに、塩・コショウを入れ、混ぜ合わせる。
②すりおろしたじゃがいも(小麦粉・塩を入れて混ぜたもの)を油を引いたフライパンに入れ、その上に①を乗せる。更にすりおろしたじゃがいもを上からかける。
③底面が焼けたらひっくり返し、両面が焼けたら、すりおろしにんにくを塗り、サワークリームをかけて出来上がり。
世界で愛され続けるパンケーキ、わが家でも行列ができるかも。
世界でポテトパンケーキを定番としているのは、ベラルーシだけではない。ドイツでは「プッファー」という名前で、焼きたての熱々にりんごなどのフルーツの甘煮を添えて食べるのが人気。アイルランドでは「ボックスティ」と呼び、朝食で食べるのが伝統となっているそう。スイスの名物料理「ロスティ」もポピュラーなポテトパンケーキだ。生のじゃがいもをすりおろし、粉と卵、好きな味を加えて焼く。手間はかからないのに、朝食にも、おやつにも、ディナーにもなることが愛され続ける理由らしい。ぜひわが家で「ポテトパンケーキ」のブームを巻き起こし、定番に加えてみてはいかがだろう。